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「はい。これはプレゼントね」

『へぇっ?…え!?だ、駄目ですよっ』

「何で?」

『だって…こんなに高いお洋服…』

「ああ、気にしないでよ。ってことで香!荷物持ちー」

「は?」

荷物を渡された香はものっすごい顔を歪めた。まさか荷物持ちをさせられるとは思ってもいなく、またこれまでにこんな扱いをされたことがない。しかも香の方が年上なのだ。

だが英士が香を呼んだのはこのためなのだ。合わせる代わりに使ってやろうと思い、荷物を渡した。

『あのっ…お金、出します』

「えー涼は僕のプレゼント受け取ってくれないのー?」

『でもっ』

「でもじゃないの。…あ、じゃあさ、ほっぺにちゅーでいいよ」

『え?』
「は?」

いきなり何を言い出すかと思えば、お礼はキス。実はこれも英士の想定内なのだ。涼からすればほっぺにキスなんて家でよくやることだから抵抗はないのだが、それで代わりになるのかとそこが心配だ。

でも英士が早く早くと待っているので、涼はとりあえず先にすることにした。英士の肩に手を乗せ、爪先立ちをし、ほっぺに軽くチュッと音をたててキスをする。英士はそれに満足したのか、物凄くご機嫌になった。

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