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手を繋いで案内をしてくれるのは嬉しいのだが、涼はその速さについて行けず駆け足状態になっていた。
『あのっ…ハァッ…も少し…ゆっくりっ』
「えっ?わ、ごめんね…」
息を切らしている涼に、英士は本当に申し訳ないと言う顔で謝ってくる。
『大丈夫ですよ。高岡先輩もお忙しいのに僕の為に時間を裂いてくれてるんですよね…?』
「ねぇ…僕涼には名前で呼んで欲しいな。」
『名前……英士、先輩…ですか?』
「んー先輩もいらないんだけど…いっか。そう言えば涼はこの学園の地図頭に入ってる?」
『あっ…はい。大丈夫だと思います』
「えっ!?」
地図を覚えていると言われ英士は少し驚いてしまった。今聞いたのも冗談で聞いただけだし、この学園は車が欲しくなるほど広い。それをもう覚えているなんて…。
「さすが満点とるだけあるな…」
『んっ?どーしました英士先輩』
深刻な顔で呟いた英士を心配そうに見ている…いや見上げている。それはもう犯罪的に上目遣いで…。
「…なんでも無いよ。あぁ…理事長室に行くにはね、このエレベーターを使うんだ。さっ乗って?」
理事長室に行くためのエレベーターの前についたので気を逸らさせるように涼を促す。
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