我が家
涼は今、家の前にいる。4ヶ月帰ってこなかっただけで、こんなに懐かしさがこみ上げてくるなんて。かんきまわって泣きそうになる。足が動かなくなる。
「涼ちゃーん!!」
『っパパァッ!!』
バンッ!と扉が開いたと思ったら、パパが飛び出してぎゅっと抱きついてきた。その懐かしい感触に、自然と涼の目から涙が零れ落ちる。
『うぅっ…あいた、かったよぉっ』
「パパもだよ涼ちゃーんっ!!」
近所の人が何事かと顔を出してしまうような劇的な再会。それを止めたのはもちろんママだ。
「…中でやりなさいよ」
『ま、ママ!!』
家の中から2人を注意するママに、涼は走り寄っていった。いくら自分が寮に入れたとは言え、やはり親子。2人も抱き合い再会を懐かしんだ。…パパを残して。
「どう、しっかりやってる?」
『うんっ』
「友達は?泊まりに来る子だけ?」
『ううん、もっといっぱい出来たよっ』
「そう。ちゃんと食べてるの?」
『うーん……うん!』
なんだかんだ言ってもママも親ばかだ。そして心配性でもある。
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