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夏休みまで後少しというこの日の放課後、涼はみんなと生徒会室へ遊びに来ていた。英士の膝の上に座り、話題に上がったのは夏休みの帰省のこと。涼はもう帰れないと思っていたらしく、異常なまでの驚きだ。

『じゃあ帰ろっかなぁ』

もう帰る気満々の涼。久々に両親と会えるだけあってとても嬉しそうだ。

「そっか。ねぇ夏休みは空いてる日があったら遊ぼうね」

『はいっ』

しばしの別れ。それでも遊べばいっかとみんなは約束をこじつけた。

『みんなはどうするの?』

京「俺はずっと寮だ」

竜「一回家に帰るよ」

海「俺たちも帰らないとうるさいんでな」

英「僕も親がうるさいんだよね」

香「うちもだ」

大「僕も」

涼の質問にそれぞれ答えた。ちなみに元太も帰省だ。京一だけが寮に残るようだが、お盆だけは完全に寮を閉めることになっている。香がそのことを伝えれば、京一は帰る家なんかないと言い出した。

「どうすっかな…」

頭を悩ませている京一に救いの手を差し伸べたのは涼だ。自分の部屋に入る前にこう言ってきた。

『僕んち、泊まりにくる?』

「…は?」

『ママとパパに聞いてみるよっ!』

「あ、ありがとう」

涼の申し出を京一が断ることなくこうしてお盆は泊まることになった。






英「じゃあ、また連絡するね」

海「元気でな」

陸「みんなで遊ぼうなー」


『うんっ!バイバーイッ』

最寄り駅でみんなが別れた。バスに乗る者、電車に乗る者、リムジンに乗る者。それぞれの方法でそれぞれの家へと帰っていったのであった――。

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あきゅろす。
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