テスト 『全国2位なんて凄すぎだよー』 「うぅ…涼!俺は涼だけだよーっ」 『んわぁ』 半べそをかきながら涼に抱きつく陸。いつもならみんな止めるのだが、やはりみんなも思うところがあるのだろう。何も言わずに先を歩いて行った。 「えーみんなも知っての通りもうすぐテストだ。ちゃんと勉強しろよー」 テスト一週間前、授業の最後に難波がそう言いながら出て行った。いや、出て行こうとしたのだが、陸によってそれは不可能となる。 「ちょーっち待ってよ難波ちゃん。あのさ、そのテストが終わったら打ち上げしねぇ?」 「……は?」 「だってさ、親睦会でおごるって言ったまま何もしてくれねぇじゃん」 (覚えていたのか…) 陸の言うとおり難波はおごると約束したまま、ばっくれていたのだ。難波自身、誰も何も言わないからラッキー…と思っていた矢先にこれだ。 「そーだよ先生、嘘は駄目だよ」 「打ち上げさんせー」 「…お前等なぁ」 「ほら、俺もバスケ頑張った訳だし?何かおごってくれー!!」 「「うおー!!」」 クラスが唸った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |