8 そしてやっと口を開いたかと思えば、 「あ…の…、ごめん!!」 思いっきり机に頭をぶつけての謝罪。それにみんなが箸を止め、竜也をみた。 「そ、の…昨日のこと、本当に悪かった!」 『…たっちゃん…』 「今は詳しいことは言えねぇ。でもいつかは言うから、だから、その…」 「謝るくらいなら二度としねぇことだな」 そう言って横に座っていた京一がそっと頭をあげさせた。京一と、竜也の目があう。 「もし、次涼に手ぇ出そうとしたら、俺は一発じやすませねぇから」 「京一…」 『あの、ね。…僕たっちゃんの髪、好きだな』 いきなり涼がこう言ってきた。涼なりに何かを感じ取っていたのだろう。 『太陽みたいに優しく燃えてて、バラみたいに綺麗な赤色』 そっと竜也の髪に手を伸ばしながら囁いた。ずっと血の色として染めてきた赤い髪。それを涼は太陽みたいだと、バラみたいだといった。 「あり、がとう…」 『へへっ、お腹空いちゃったね』 周りを見渡せば、みんなが笑っている。昨日あんな事があったのに、聞かないでいてくれてる。それが嬉しくて竜也は目に涙を溜めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |