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だが涼はそんな事を知る由もない。訳のわからない事を言われ、混乱していると、男の人の顔が近付いてきた…。

近いなぁ…そう思った瞬間、額に柔らかい感覚。キスだ。突然の事に固まっていると、


「僕は高岡英士。この学園の2年で副会長。今日は君の案内役を頼まれたんだけど……って聞いてる?」

『あっ!!浅見涼…です…。よろしくお願いします』


名前を名乗った男の人、英士に注意をされ慌てて挨拶をする。…が、そんなものが頭に入ってこないくらい先ほどのキスが気になっていた。


『あのぉ…さっきのはいったい…?』

「あぁ…キス?僕君の事気に入っちゃったかも。ちっこくて可愛いし」

『えっ…ぅあ…ありがと、ございます///』


見知らぬ人に可愛いといわれ、涼は顔を真っ赤にして照れた。恥ずかしいな…なんて事を思っているといきなり手を握られる。


「さっ、理事長室までご案内しますよお姫様?」

『っ…僕はお姫様じゃないもん!!』


少しだけムカついて手を振り払おうとしたが、涼の抵抗も虚しくただ引っ張られて行く。

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