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「紅悪魔。たまに現れて血が止まらなくなるまで、痛いって大声で叫び続けるまで人を殴る奴がいるって。時には自分を傷つけて血を流す。
…それってさ…、竜也しかいないだろ、赤髪は。こいつも否定しなかったらしいし、それに他にもあったんだ。こいつに関する噂が」
そこで一旦止まった。そして深く息を吸い、続ける。
「こいつ、竜也は一回親に捨てられたことがあるらしい。んで、そのとき…死のうとしたんだって。生きてる意味がない、生きた心地がしない…ってさ。
でもそこで何があったかはしらねぇけど、なんか…うん。ごめ、その先はよく知らないや」
「そ、うか」
「でもさっき言ってたことから考えると痛み=生、ってことみたいだな…」
会話が途切れた。とても思い空気が流れ、聞こえてくるのは涼の泣き声だけ。少し涼には刺激が強すぎる内容だった。
「それより、さ。どこで調べてくるんだよそれ」
空気を変えようと京一が聞いた。その一言で一気に空気が変わり、陸は調子を変えて言ってきた。
「俺を舐めんなよ!?…つってもまぁ裏の方では有名な話だし?」
「それなら…私も聞いたことがありますね」
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