4
─ガラガラ
「…おや、浅見君ではないですか」
保健室に京一と涼が先に入ると鏡が嬉しそうに近づいて来た。だが次に入ってきた3人に目を開け、驚いた様子で、
「これ、は…?」
と呟いた。
「おい変態教師!仕事してもらうぞ」
陸がそう言って竜也をベッドの方へ寝かせた。いくら生徒ばかり食べている変態教師でも、仕事となれば別だ。体を触り、怪我の具合をみて一旦出て行ったと思ったら、手に色々と持って戻ってきた。
「この腕は…酷いですね。菌が入ってるかもしれません」
怪我の様子を涼たちに伝えながら的確に処置をしていく。涼たちはただ、見守ることしか出来ない。
そして10分後、どうやら大きな怪我は腕だけだったのか、すぐに治療は終わった。竜也は、血は拭き取られ腕に包帯を捲かれた状態で静かに寝ていた。
「…あの噂、まじだったんだ」
「噂?」
「え、あ、ああ」
陸がボソッと呟いた言葉に海が反応した。どこから仕入れてくるのかは知らないが、陸の情報は確かなのだ。……陸は、竜也を見つめながらゆっくりと口を開いた。
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