理事長室
『ほぁ…中も広い』
門をくぐり、中に入った涼はまた驚きの声をあげた。予定ではここまで迎えが来てくれる事になっているのだが、まだ現れていない。1人でいることに不安になっていると後ろから声をかけられた。
「どうしたの?」
『んにゃ!?』
軽くホームシックになりかけていた涼は、後ろからくる気配に気付かなかった。そのため声をかけられて、思いっきり尻餅をついてしまう。
「えっと…大丈夫?」
そう言って目の前の人は笑いながら手を差し出してきた。まるで王子様のような、優しい笑みを。
『あっ…はぃ……///』
涼はあまりの恥ずかしさに顔を赤らめながら立ち上がり、お礼をいった。
「後ろからいきなり声かけた僕も悪いから。あー…もしかして君が浅見涼君?」
『えっ…あ、はい』
なぜ自分の名前を知っているのか、そんなことを思っているとその人がこう聞いてきた。
「ねぇ…それ…誘ってるの?」
『?』
身長差が20cm近くあるため、涼は見上げる形になっていた。それにくわえ、頭の中の疑問に首を傾げているのだ。
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