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「っ…いえ。では、僕に時間を下さい」
「時間?」
「はい。お話する時間を、頂けませんか?」
「………。いいだろう。午後、応接室へ来い」
「っはい!!」
こうしてやっと話がまとまった。真央は最後に涼を睨み、体育館を去っていった。
「香大変だねー」
「…人事ではないぞ」
「まぁ、ね」
涼のことに関して不満を抱いているのは真央だけでない。伊藤みずきも大地吉良も、他の親衛隊も。一刻も早く対処したいのだが、相手が仕掛けて来ない限り何も言えないのだ。涼に何もないことを祈るしかない。
『あ、終わったんですか?』
「うん。じゃあ外にでも移動しようか」
他のみんなが帰ったのに気づき、涼が近寄ってきた。そのままみんなは写真を撮るため移動を始めた。そしてやってきたのは外。いい感じに日の当たる林の中。
『こんな所あったんですね』
「いいでしょ。目が疲れたときとか1人になりたいときはよく来るんだ」
暖かな日差しが当たり、心地が良い。どうやらここで写真を撮るようだ。
「じゃあ元、よろしく」
「あ、うん」
そう言って英士は元太にカメラを渡した。何気ない光景。だがそれは間違っていた。
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