景品 「休みの日にわざわざすまない。そしておめでとう」 ホテルから帰った次の日、体育館に人が集まっていた。先日の宝探しの賞品を渡すためだ。 「まずは11位から30位の人、順番でなくていいから前に出て来てくれ」 香が呼びかけるとゾロゾロと動き出した。その中には双子もいる。 「ほら、食堂券だ」 「ぷっ、"仲良く"使ってね」 何がおかしかったのか英士が笑いを堪えて嫌みを言ってきた。 「海、それくれよ」 「はぁ?誰がやるか。これはお前の迷惑料としてもらってく」 「んなっ!?それはねぇだろ!」 そして見事英士の望み通り喧嘩が始まった。人数の少ない体育館に響く二つの声。それを止めたのはもちろん、 『半分こしないの?』 涼だ。 「半分にしたいのは山々何だけとさー。俺今食べ盛りなんだよね」 『「え(は)?食べ盛り?」』 「そう。大会近くてさ。もう動きまくると腹が減る!!」 「そうだったのか…。ってだから渡すとでも思ったのか?」 「は…鬼ーっ!!」 [次へ#] [戻る] |