17 「あれには誰も勝てないよな」 「あぁ。でも良、手は出すなよ?」 「当たり前だろ。俺はみぃたけだからな」 負けた京一と良は笑顔で喜んでいる涼を見ながら苦笑いをし、クラスのもとへ帰った。 だが、この結果をよく思ってない者がいた。各クラスの比較的小さい子達だ。つまり受けの子、親衛隊の子たち。みんなが手を抜いているのは涼以外分かり切っていることで、それが気に入らない。端にみんなで集まっていたことは、誰も気付かなかった─。 そしてもう1人、難波だ。 「まじかよ…。え、俺が全員分払うの?え?……」 勝つことなど無いだろうと思って適当に嘘をついたため、この結果に不満を漏らした。そして学園に帰るまで、頭を悩ませ続けるのだった。 「お前ら静かにしろー。全部の試合が終わったみたいだからこれでお昼にする。以上」 閉会式が終わり、各々がお昼をとるため、ホテル内に戻っていく。涼たちも生徒会の人と合流するために、食堂へ向かった。だがそこへ来たのは元太のみ。他の人たちはいない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |