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コートに入った2組は一部の人を除いて自然とある形が出来上がった。

『ま、前が見えないよぉ』

そう、涼を囲むように一つの大きな円が出来たのだ。その人たちが動かない限り涼に死角はない。完璧な壁が出来た。

まずは相手ボール。思いっきり投げてきても、涼の壁は簡単に取ってしまう。たとえ当たったとしても人数が結構いるし、輪を小さくすることで形を保っている。

相手チームもいくら狙っても崩すことの出来ない壁を諦め、その周りで必死に逃げ回っている捨て猫たちを狙い始めた。

「きゃん、いったーい…」
「怖いよぉっ」

などと男とは思えない声をあげている。だが誰も構ってくれないため、普通にアウトだ。隙間から見える涼を睨みつけ、外野へ出て行く。

「おごり!」

「「「おー!」」」

「おごり!!」

「「「おー!!」」」

そんな声をあげながらゲームは進んでいく。まぁ裏では、

(涼を守れ)

(((おー!)))

(浅見に傷つけるな)

(((おー!!)))


などという声をあげているのだろうが。

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