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「涼、ちょっと立って」
『ん?はい』
素直に言うことをきいた涼を海は自分の膝の上に乗せた。
『えっ、海くん?』
「こうすれば暖かいだろ?」
ビックリしている涼を後ろから抱きしめた。確かに暖かい。暖かいのだが…恥ずかしい。
『ね、海くんは抱っこするのが好きなの?』
恥ずかしさを紛らわすために涼が質問をした。だが返ってきた言葉に、涼は更に顔を真っ赤にして何も考えないようにアイスを食べる。
"涼って抱き心地いいから。ずっとこのままでいたい位"
そう耳元で囁かれたのだ。
「ねぇ、シカトですか?俺寂しいな」
しばらく何も喋らない時間が続き、海が涼の肩に顎を乗せて膨れたように言った。
『へ?あ、ごめんね。あまりにもアイスが美味しくて…。海くんももう一口食べる?』
そう言ってアイスがのったスプーンを近づけてきた。そのままパクっと食べた海の機嫌はもうすっかり良くなっていた。そして食べ終わった頃を見計らってこう言うのだ。
「よく考えたら間接キスだな」
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