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両方から耳に愛の言葉を囁かれました。
アリスは顔を真っ赤にして2人から離れようとします。
「どうしてもダメなの?」
『お家、帰りたいです…』
「なら俺たちと勝負をしろ」
『勝負?』
「アリスが勝ったら帰してあげてもいいよ?」
『やるっ、やります!』
はいはい!と手をあげるアリスに、キングとクイーンは少しいじけた顔をしました。
対決するのはアリスとクイーンです。
クロケーでは2人が選んだ人を使います。
「ちょっと誰か、やってくんない?」
「はいっ!英士様のためなら僕がやりますっ」
「伊藤みずき…ね。いいよ、早く終わらせて」
「はいっ」
ボールを持って転がします。
トランプたちは自ら動いてゴールを作り、たくさんの点を入れました。
『うぅ…僕は…あ!一兄ちゃんっ、手伝って?』
「…………嫌だ」
『ふぇ、だって…一緒にお家帰ろうよ』
「……………」
『一兄ちゃあっ…ごめんなさい。いい子にするから、助けてっ』
アリスはフラミンゴの服をキュッと掴み、上目遣いをしました。
その可愛さは犯罪級です。
「……一回だけだからな」
『っ…うん!ありがと、一兄ちゃん大好きっ』
アリスのフラミンゴはボールを投げました。
ですがトランプが意地悪をして点が入りませんでした。
「さぁアリス、僕の嫁に来てくれるよね?」
「俺たち、だ。不自由はさせないぞ」
『あっ、あの!お二人の気持ちは嬉しいんですけど…パパとママもいるし、そのっ』
「なに、負けたのに聞けないっていうの?」
「ダメなやつだな」
そう言われてアリスは困ってしまいました。
そこに他の人たちも集まってきました。
「アリスと暮らすのは俺ー」
「いや、俺だ」
「俺ですよ」
「アリス、帰るぞ」
ドードにビル、帽子屋、ウサギ、チェシャ猫、他にもアリスを想っている人たちがたくさんです。
『わーみんな一緒!嬉しいっ』
「こうなったらアリスに誰が一番か決めてもらおう」
「だな。アリス、選べ」
『や…選べないもんっ!帰るのーっ』
(ダダダッ!)
アリスは走り出しました。
その後をみんなで追いかけます。
『やぁあ、ついて来ないでーっ!ふぇっ怖いぃ』
「アリス、結婚しよう」
「お茶会の続きするぞ」
『っ…も、いいの!誰か助けてーっ』
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