8 両方から耳に愛の言葉を囁かれました。 アリスは顔を真っ赤にして2人から離れようとします。 「どうしてもダメなの?」 『お家、帰りたいです…』 「なら俺たちと勝負をしろ」 『勝負?』 「アリスが勝ったら帰してあげてもいいよ?」 『やるっ、やります!』 はいはい!と手をあげるアリスに、キングとクイーンは少しいじけた顔をしました。 対決するのはアリスとクイーンです。 クロケーでは2人が選んだ人を使います。 「ちょっと誰か、やってくんない?」 「はいっ!英士様のためなら僕がやりますっ」 「伊藤みずき…ね。いいよ、早く終わらせて」 「はいっ」 ボールを持って転がします。 トランプたちは自ら動いてゴールを作り、たくさんの点を入れました。 『うぅ…僕は…あ!一兄ちゃんっ、手伝って?』 「…………嫌だ」 『ふぇ、だって…一緒にお家帰ろうよ』 「……………」 『一兄ちゃあっ…ごめんなさい。いい子にするから、助けてっ』 アリスはフラミンゴの服をキュッと掴み、上目遣いをしました。 その可愛さは犯罪級です。 「……一回だけだからな」 『っ…うん!ありがと、一兄ちゃん大好きっ』 アリスのフラミンゴはボールを投げました。 ですがトランプが意地悪をして点が入りませんでした。 「さぁアリス、僕の嫁に来てくれるよね?」 「俺たち、だ。不自由はさせないぞ」 『あっ、あの!お二人の気持ちは嬉しいんですけど…パパとママもいるし、そのっ』 「なに、負けたのに聞けないっていうの?」 「ダメなやつだな」 そう言われてアリスは困ってしまいました。 そこに他の人たちも集まってきました。 「アリスと暮らすのは俺ー」 「いや、俺だ」 「俺ですよ」 「アリス、帰るぞ」 ドードにビル、帽子屋、ウサギ、チェシャ猫、他にもアリスを想っている人たちがたくさんです。 『わーみんな一緒!嬉しいっ』 「こうなったらアリスに誰が一番か決めてもらおう」 「だな。アリス、選べ」 『や…選べないもんっ!帰るのーっ』 (ダダダッ!) アリスは走り出しました。 その後をみんなで追いかけます。 『やぁあ、ついて来ないでーっ!ふぇっ怖いぃ』 「アリス、結婚しよう」 「お茶会の続きするぞ」 『っ…も、いいの!誰か助けてーっ』 [*前へ][次へ#] [戻る] |