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 相変わらずの上から目線に、紅葉はバシャッとお湯を桐の顔へぶっかけた。情けない声が桐から漏れ、紅葉はおかしそうに笑う。桐は若干苛つきながらも、髪をかきあげて余裕の笑みを浮かべた。


(はぅ…かっこええ…///)


「…俺は優しいから、もう少しだけ待ってやってもいい。だけど、最後はぜってぇするからな」

「…あ、アレより、凄いん…?」

「すげぇな。なんなら今から教えてやろうか」

「っ、いい!…まだ、いい…」

「じゃ、いつかはさせてくれんのかよ」

「…ん、かて…僕だって、桐のこと好きやもん」


 逃げてばっかじゃないよ?と。少し潤んだ瞳で見つめてくる紅葉に、桐は言葉を詰まらせた。何をするのかされるのか、分かっていないはずなのに受け入れようとしているその様子が、それだけで嬉しいと思ってしまったのだから。

 これだから椿にヘタレといわれるんだ。と桐は内心舌打ちをし、アヒルで遊び始めた紅葉の額へ、キスを落とした。


「ぅ…?」

「俺と付き合ったこと、後悔なんてさせねぇから覚悟してろ」

「…してへんよ?」

「っ…そこは黙って返事しとけ」

「…(コクッ)」


 今は、こうして触れ合っているだけで十分幸せ。でもいつか、心だけじゃなく体まで繋がりあえたら、そのときはどんなに幸せなんだろうか。桐はこれから先のことを夢見て、小さくクツリと笑った。

 こうして2人の甘い夜は更けていくのだ…。




END
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