4 相変わらずの上から目線に、紅葉はバシャッとお湯を桐の顔へぶっかけた。情けない声が桐から漏れ、紅葉はおかしそうに笑う。桐は若干苛つきながらも、髪をかきあげて余裕の笑みを浮かべた。 (はぅ…かっこええ…///) 「…俺は優しいから、もう少しだけ待ってやってもいい。だけど、最後はぜってぇするからな」 「…あ、アレより、凄いん…?」 「すげぇな。なんなら今から教えてやろうか」 「っ、いい!…まだ、いい…」 「じゃ、いつかはさせてくれんのかよ」 「…ん、かて…僕だって、桐のこと好きやもん」 逃げてばっかじゃないよ?と。少し潤んだ瞳で見つめてくる紅葉に、桐は言葉を詰まらせた。何をするのかされるのか、分かっていないはずなのに受け入れようとしているその様子が、それだけで嬉しいと思ってしまったのだから。 これだから椿にヘタレといわれるんだ。と桐は内心舌打ちをし、アヒルで遊び始めた紅葉の額へ、キスを落とした。 「ぅ…?」 「俺と付き合ったこと、後悔なんてさせねぇから覚悟してろ」 「…してへんよ?」 「っ…そこは黙って返事しとけ」 「…(コクッ)」 今は、こうして触れ合っているだけで十分幸せ。でもいつか、心だけじゃなく体まで繋がりあえたら、そのときはどんなに幸せなんだろうか。桐はこれから先のことを夢見て、小さくクツリと笑った。 こうして2人の甘い夜は更けていくのだ…。 END リクエストありがとうございました! [*前へ][次へ#] [戻る] |