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ポカン、とオレを見る辰巳に、何バカなことをいったんだと数秒前の自分を心底恨んだ。
ああやだ、ガキくさいとか、女々しいとか思わないで。
ただ、2人で傘をさしたかっただけなのに…っ。
――ポン、
「っ…?」
「いいな、相合い傘。してぇ。周りに見せびらかしてやろうぜ」
「え…いい、の?」
「たりめぇだろ。瑛太のしたいことは、俺のしたいことでもあるんだからな」
「辰巳…」
どうしよう、凄い嬉しいよ。
オレもね、辰巳のしたいことはオレのしたいことでもあるんだ。
オレたち以上に相思相愛な2人って、いないよね…?
一応持ってきた折りたたみ傘を広げて、辰巳に近寄る。
そしたら、傘を持ってくれた。
ごく自然な流れで。
そういうところが凄くかっこよくて、大好き。
「……もっと、くっついてい?」
「ああ、来いよ瑛太」
「ん…へへ、幸せだよ、辰巳」
「可愛いこといってんじゃねーよ…」
「え、…ん…ッ、ちょ、こんなとこでっ///」
背を屈めてきた辰巳と、唇が重なる。周りには人がいて、でも雨と傘のカーテンで少しだけ隠されていて。
なんか、ドキドキした。
だからオレも少し背伸びをして、辰巳の頬へキスをしたんだ。
驚く辰巳に少し満足して、ピッタリくっついて寮を目指す。
……たまの雨なら、いいかもしれない。だって辰巳を、凄く近くに感じるから。
END。
リクエストありがとうございました。
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