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もしかして…気を使ってくれた?オレのために、止まった?

嬉しい…でも、弱い自分が情けないや…。



「はぁ、…なんだこの雨…」


「っ、は…はっ、ビショビショ、だね」


「はは、パンツも濡れてら」


「ふふ、オレも…」



ザァアアッと雨が降り続く中、互いにびしょ濡れな姿を見て笑いあった。

服が濡れて辰巳の体に張り付き、逞しい体が浮き彫りになってる…。
っ…かっこ、いい…。

水も滴るいい男、ってやつだよね。



「……って、あ、あんま見ないでよ…」


「いやっ…透けてるもんだから、つい、な…」


「透けて…?っ、ひゃ!///」


「ひゃ、っておま…っ///」


「うぅ、恥ずかし、から…見るなバカッ」



お、オレの服も濡れて張り付いて…その、胸が透けて見えてた。
辰巳の熱っぽい視線を感じて、凄く恥ずかしくなって、手で隠しながら…そっと辰巳に寄りかかる。

…あ、暖かい…濡れてるけど、暖かいよ辰巳。



「冷えてんな…もう走れそうか?」


「あ、うん。…オレは平気だよっ」


「…瑛太」


「へ、平気なんだよ!アンタに風邪引かれたら、colorsが困るだろっ」


「colorsが、ねぇ…」


「……お、オレも、そんなのヤダから…早く帰ろ?」


(…ヤベェ、濡れてる瑛太エロ…ッ)



下から見上げて、首を傾げながら促す。だって、ホントにヤなんだよ。
辰巳が風邪引くなんて考えたくない。


もしオレが欠伸なんてしなければ、もう少しいて雨は通り過ぎたあと帰れたかもしれないのに。

もしオレに体力があれば、立ち止まらずすぐ家へ帰れたのに。

もしオレのせいで風邪なんて引いちゃったら…オレ、自分が許せなくなりそう…。



「はぁ…瑛太」


「っ、あ、ごめ、ワガママいった…よね。あの、辰巳のペースで…」


「バカ、そうじゃねぇよ。…んなツラそうな顔すんな」


「た、つみぃ…」


「俺もお前が風邪引くのは嫌だから、…走るぞ。ちゃんと手ぇ繋いでろよ?」


「あ…うん!」



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