2 もしかして…気を使ってくれた?オレのために、止まった? 嬉しい…でも、弱い自分が情けないや…。 「はぁ、…なんだこの雨…」 「っ、は…はっ、ビショビショ、だね」 「はは、パンツも濡れてら」 「ふふ、オレも…」 ザァアアッと雨が降り続く中、互いにびしょ濡れな姿を見て笑いあった。 服が濡れて辰巳の体に張り付き、逞しい体が浮き彫りになってる…。 っ…かっこ、いい…。 水も滴るいい男、ってやつだよね。 「……って、あ、あんま見ないでよ…」 「いやっ…透けてるもんだから、つい、な…」 「透けて…?っ、ひゃ!///」 「ひゃ、っておま…っ///」 「うぅ、恥ずかし、から…見るなバカッ」 お、オレの服も濡れて張り付いて…その、胸が透けて見えてた。 辰巳の熱っぽい視線を感じて、凄く恥ずかしくなって、手で隠しながら…そっと辰巳に寄りかかる。 …あ、暖かい…濡れてるけど、暖かいよ辰巳。 「冷えてんな…もう走れそうか?」 「あ、うん。…オレは平気だよっ」 「…瑛太」 「へ、平気なんだよ!アンタに風邪引かれたら、colorsが困るだろっ」 「colorsが、ねぇ…」 「……お、オレも、そんなのヤダから…早く帰ろ?」 (…ヤベェ、濡れてる瑛太エロ…ッ) 下から見上げて、首を傾げながら促す。だって、ホントにヤなんだよ。 辰巳が風邪引くなんて考えたくない。 もしオレが欠伸なんてしなければ、もう少しいて雨は通り過ぎたあと帰れたかもしれないのに。 もしオレに体力があれば、立ち止まらずすぐ家へ帰れたのに。 もしオレのせいで風邪なんて引いちゃったら…オレ、自分が許せなくなりそう…。 「はぁ…瑛太」 「っ、あ、ごめ、ワガママいった…よね。あの、辰巳のペースで…」 「バカ、そうじゃねぇよ。…んなツラそうな顔すんな」 「た、つみぃ…」 「俺もお前が風邪引くのは嫌だから、…走るぞ。ちゃんと手ぇ繋いでろよ?」 「あ…うん!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |