2 俺とクリスマスパーティー…って、もし俺に先に予定入ってたらどうするつもりだったんだ? …きっと、少し寂しそうな顔をしながら、部屋に何もいわずに帰るんだろうな…。 「はぁ…せっかくのクリスマスだってーのに」 「………嫌だった?」 「じゃなくて、棗は俺とでいいのかって話し!誘う奴とか佐々木とかいるだろ?」 「だって、僕は弘樹君が良かったからね。キッチン入っても大丈夫?」 「え?あー…多分。俺使ってねーから分かんねーもん」 うわっ、もんってキモ! 自分でいって鳥肌たっちゃったよ。 棗はまた俺に笑いかけて、キッチンに立ってナイフとフォーク、小皿、コップを用意しだした。 とりあえず俺もそれを手伝うけど…な、なんだろ、妙に緊張してる…? 「少し早いけど、ゆっくり食べよう?」 「……しょうがねーなっ」 「ふふ、弘樹君可愛いよ」 「なっ!?可愛くねーよ!それをいうなら棗だろっ」 「否定は出来ないけどね」 棗は、抱きたいランクのトップにたつほど綺麗だ。 黒のセミロングは大和撫子を彷彿させるし、何より笑顔が…うん。 目は奇抜だけど、俺といるとき棗はそのカラコンを外す。 棗曰わく、俺に偽る必要はねぇとか…知るかっ! まぁ、それのせいで嫌でも気づかされたことが一つ。 棗が俺に向ける笑顔と、他に向ける笑顔は全く表情が違うこと。 それがむず痒くて、でもラッキーとか思う自分もいて訳分かんなくなる。 「……弘樹君?」 「へぁっ!?」 「ううん、乾杯しよっか」 「え、俺お酒飲めねーしっ!未成年だしっ」 「これはアルコール入ってないから大丈夫だよ。…弘樹君、メリークリスマス」 「っ…メリークリスマス!」 キンッと音を鳴らして、2人だけのクリスマスというのを意識しないよう、少し大きな声を出す。 でもクスクス笑ってる棗を見ると、それもバレてるような…。 まぁいいや、今はごっはんー♪ 「……あ、でもさ、よくエータたちがいないって分かったな」 「ん?だって今日はクリスマス。恋人同士の最大のイベントの日でしょ?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |