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panic game!
5
「それと…」


ずいっと腰を俺の目線まで落として覗いてくる下猫先輩。
あ、目の色は案外綺麗な茶色だこの人。チューしていいかな(真顔)



「君の声、どこかで聞いたことあると思うんだけど、」
「やだ////なにそれ斬新なナンパの仕方ですね先輩////」
「……もしやヒヨさん?」
「えっ」
「えっ」



…なんで知ってんの!!?
確かに俺はヒヨという名前でニヤニヤ動画というところでよく動画を投稿してたりする。
まあ完璧に趣味の範囲内での活動だから極めたりはしてないんだけど…。
正直、リアルで『ヒヨ』と呼ばれる日が来るとは予想だにせなんだ。



「なになに正解?」
「せせせせせ先輩!?なんで俺って思うんすか!?」
「いやだから声がね。つーか本物なわけ?まじで?」



うーむ。
別に隠してるわけじゃないからバレても構わないけど、この先輩とはまだ知り合って数分の関係だ。
素直に肯定していいものか。


「俺さ、ヒヨさん超好きなんだよね!」
「…ホワッツ?」
「隠そうとしない変態性…それを気にさせない美声…そしてズバズバ言うあの姿勢…全てが素晴らしい!」
「(きゅんっ)」
「部屋、マイクとかないね?」
「あ、今は勉強中なので…誘惑に負けないようにしまってあります。」
「認めた!!」
「しまった!!!」



こやつ、出来る…っ!
恐ろしい子…っ!


「いやー嬉しいわー。敬語で話すわー。一年生は委員会も部活も決めるのはこれからですよね?ぜひ俺と一緒にやりましょう!全力で愛します!」
「うわぁ。下猫先輩の愛は重そうですわー。というか敬語やめてくださいwww先輩なんですからww」
「なにを言うwwwじゃあまた会えるのを楽しみにしてますヒヨさん!」


キャピッとした笑顔で部屋を出て行く先輩に『可愛いな』という一人言をつぶやいてしまった。
不覚。でも可愛かったクソッ。

でもその次の瞬間にハッと我に返って大声で呼びかけた。



「学校ではヒヨって呼ばないでくださいね!!?あとバッジ!!バッジ忘れてますからぁ!!!」


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