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panic game!
委員長様からのお願い(side 直)
下猫 直。受験生。
三年生になってからというもの、充分に音楽鑑賞できてないし、趣味だった動画を観る数も減った。ヒヨという生放送でよく見かける人がお気に入りなのに。


でもブログはやれてる。
…でも今日のネタどうしようやべぇ。



「直委員長、」



放課後。
ブログネタに悩んでた俺の心境など丸っきり無視して廊下の窓枠から教室に顔をのぞかせながら声をかけてきたのは後輩の香坂だ。



「なんだよ?つーか委員長はお前だろ。俺はもう委員長じゃないんだからその呼び方やめれ。」
「すみません。つい癖で。」
「相変わらず真面目な奴だなあ。」



俺がこの学校での《権力》の象徴である委員長を退いたのは二年も終わるころだった。
委員長という責任を負う立場が面倒臭さかった、というのが主な理由だけど、俺ん家と香坂の家を比べれば、こいつの上に立つのは少し無理があった。

俺の親は、自分の息子が警察最高トップ・香坂の息子に《指示》を出せる立場にあるという事実にすごく喜んでいたけど、俺にとってはそれは癪だった。
そもそも得意としてる畑が違うっつーの。俺ら下猫財閥は情報共有ネットワーク会社だっつーの。

下猫家が未だに日本以外の他の国から認められないのはそういう所が原因だとなんとなく感じた。




「で、三年の校舎に来てまで急ぎの用があるのかね。」
「実は、頼みたいことがあるんですが。」
「アイス50個で手を打とう。」
「お腹壊しますよ。」
「誰が1日で食べるつった?俺が食べたいときに買って来てくれればいいんだよ。で、何を頼みたいのかね。」




香坂からの頼み事とやらを聞いた俺は、アイスの数を100に増やした。
ざまあ。

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あきゅろす。
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