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panic game!
4
しばらく辺りを見回してから、広間の奥に人が溢れているのが目についた。

新島先輩が俺の視線に気づき、『あそこで入寮手続きをしている』と教えてくれた。

よし、と気合いを入れて前に進んだ。
あ、別に新生活を前にやる気を出したのではなくて、あんだけの人混みに飛び込むための気合い注入である。



「手続きは1人で平気だな?オレはなんか飲みもん貰ってくるわ。終わったらここら辺にいろよ。」
「おうふ。覚えてたんですね。」
「オレを一体なんだと思ってんだ?」
「すまん。」





そして長蛇の列に並びはじめて20分。なんだか前の方が常に騒がしいが、そんな中やっと俺の番が回ってきた。


「はーい次ぃ。」
「え!?小学生!?」
「あーはいはい小学生ですよー書類出してねぇ。」
「超あっさり!」


俺を担当したのは可愛らしい小学生男子でした。
ショタ!!!ショタがいる!!!!前に並んでた人たちが落ち着かなかったのはコレか!!!

「ああああああのなんでショt、ごほん、小学生がこんな所にいるのかな?お兄ちゃんとかのお手伝いとかで来てるのかな?年はいくつ?目クリクリで可愛いね良かったらそのお兄ちゃんとのなんかイチャイチャなエピソードあったらお話してくれないかなやっぱりお兄ちゃんが攻めだよねイヤでもまだ小学生にあんな事やこんな事できないかなイヤでもそれもまた良い!弟にもやもやするお兄ちゃん萌ええええ!!!!」
「いい加減そろそろやめようかぁ。」
「ごめんね!!!」
「僕、3年生だよ。」
「小3!!ちょうど良い年の差ですね!!!」
「高校3年ね。」
「……。」



ぱーどぅん?こんな可愛くて小さい子が…先輩?
え、なにその新世界。



「さ、左様でしたか。それはまたとんだ失礼を。」
「いいよぉ。慣れてるし。」


そりゃあな。言われるよな。
まだまだ俺の知らない萌えがこの世にあるんだなぁ、と感動にひたっている内に、ショタ先輩はてきぱきと事を進める。


「はい、曇くんねぇ。三階の305号室。同室者は面倒だから部屋のネームプレート見て。」
「あざっす。あなたの名前教えてください!」
「これ鍵ね。」
「あざっす。名前はなんですか!」
「その内分かるよぉ。」


にこっと笑いながら俺の書類を片手でファイリングする姿はまるで天使。


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