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panic game!
2
お昼を過ぎた頃。

俺は面談のために制服を着て学校までやって来た。
何人かの見知った同級生たちとすれ違いながら自分のいつものクラスに向かっていると、後ろから何やらドドドドッとうるっさい地鳴りがする。
イヤな予感しかしません。


「ハァァァル!!!!」
「うるさいな!!!」


後ろを振り向けば、そこには懐かしい姿。
物凄い速さで俺の方へ走ってくる。

背が高くて黒髪、目元はだらしなくてヘニャっとしてる。昔からお気に入りのピアスを耳につけていて、今日もムカつくくらいにそれがキラッキラしてる。ついでにオーラもキラッキラしてる。
コイツが亜夕にぃだ。


「何ヶ月ぶりだと思ってんの。会いたかったよハル」
「頬ずりすんなッ!人目もあるんだから落ち着いて!」
「馬鹿言え。俺たちの愛は誰にも邪魔させない」
「一方通行だけどね」
「??俺だって愛してるぞ」
「違う!亜夕にぃが一方通行なの!」
「そんなッ…」
「明からさまなショック顔しないで!面倒臭いな!」


離れる気がないらしい亜夕にぃを引きずりながら、もうそこまで見えている教室を目指す。
というか重いな!
アメリカで食べまくったか?その割に体型が変わらずスラッとしてるな?
くそっ、神に選ばれた人類、くそっ。


「そういえば、変装もナシで此処に来て良かったの?亜夕にぃ一応俳優なんだからそこら辺考えないと」
「心配するな。話しかけられないくらいの威圧感が俺から出てるらしくて全く人が寄ってこない。日本人だと余計だな」
「…なるほど」


そう、実はこの人、ハリウッドでも活躍している俳優である。
昔から演劇に興味があり子どもの時から日本で活動していたらしいが、ここ数年はアメリカでの仕事が多くなっている。


「それよりもハル、学校はどうだ?楽しいか?虐められてないか?まさか強姦とか」
「さ・れ・て・な・い」
「そうかそうか。担任の先生は確か畠だったな。アイツは中々の鬼畜…」
「それは褒めてんのか?」
「おおお!久しぶりだな畠!」



…………えっ!?

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