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目撃者
――ご主人様は二日酔いなのか余り喋らずに朝食を食べていた。

『大丈夫ですかご主人様?』

孝太とゆう存在が出来たからか、私はご主人様に優しく接する事が出来た。

『ああ、今日は早く帰って寝る事にするよ…』

朝食のパン5枚とワカメスープ、コーンサラダに玉子を6個使ったハムエッグをペロリと平らげご主人様は言った。

(どんなに二日酔いでも、食欲は変わらないのね…)

いつもながら、ご主人様の食欲には驚かされる。

『それじゃ行って来る…』

食欲とは違い、元気の無い声でそう言いご主人様は会社へ出掛けた。

(今夜は軆を求められなくて済むかも…孝太さん…大丈夫かな…)

朝方まで私を抱いていた孝太を思う…
それだけで私は濡れ出すのを感じた。

「ピンポンピンポン…」

孝太の事を思い出し、幸せ一杯の私の心を切り裂く様に玄関のチャイムが鳴る。
モニターには加南が映っている。

(あっ!今日はフィットネスクラブの日だった!)

一睡もして無い私は、今日はフィットネスクラブを休もうと思いながら玄関を開ける。

『おはよう理佳さん(笑)』

機嫌が良いのか加南はニコニコしながら私に言う。

『おはようございます…今日はフィットネスクラブの日でしたね…』

『そうよ…早く支度をして来なさい。』

間髪を入れず加南は応える。

『実は私……体調が悪いので、今日はフィットネスクラブを休みたいのですが……』

恐る恐る加南の顔色を伺いながら言った。
加南は私の話を聞いても特別怒った様子も無かったけど…

『それはお疲れでしょう(笑)一晩中SEXをしていればね(笑)』

加南の言葉に私はドキッとする。

(ただ単に勘で言ってるに過ぎない…相手だってご主人様だと思っているに違いない…)

孝太が家を出来る時は細心の注意を払って、家の周りに誰も居ないのを確認してから帰って貰っていた。

『あなたも大胆ね。酔って寝ている夫が居るのに、送って来た男と楽しむなんて(笑)』

やらしい笑いを浮かべ加南が言う。

(どうしてそれを!)

声に出そうなのを私は我慢する。
その代わりに…

『な、何を言ってるのか私には判りませんけど…』

と、言った。

『嘘を言って無駄よ…あなたはすぐに顔に出るから(笑)それに私は、酔ったあなたの旦那が若い男に送って来て貰ったのを見たし…その男が朝方、帰って行くのも見たのよ(笑)』

(加南さんに…見られていた…)

私は蒼白な顔で立ち尽くした。 

-ウラコイ×


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