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本当に!?
『そんなの……嘘よ!だって、パパの家族は亡くなったんでしょう!?』

これは、前に田崎自身が言っていた事で、私もそう信じていた。

『それが違うんだ。私は井上に記憶を無くされる前にも、記憶を無くしていた……』

田崎の話しに私は困惑する。
そんな私の顔を見て田崎は、順をおって話し出す。

『私は妻の理奈と幼い娘の理佳と三人で、幸せに暮らしていた。
でも一度だけ過ちを犯してしまった。
それは、会社の部下の女性…加南子と…』

パパは言いずらそうに、たどたどしく話す。

『たった一度の過ちで加南子は妊娠をしてしまった…
でもそれは、この洋館に来てからも子供を産んだり中絶をした事実が無い所をみると嘘だった様だけど…』

なぜ加南子と言う女性がそんな嘘を言ったか、私は解る様な気がする。

『それからは、私の居ない時に無言電話やポストに理奈の中傷の事を書いた手紙が入っていたりした…
それはどんどんエスカレートして、近所中に理奈の誹謗中傷の手紙が配れたりもした。』

(それはきっと加南子さんがやった事…でも、ママにそんな嫌がらせをするなんて酷い…)

『理奈は精神的に不安定になった。
私はそんな理奈を癒そうと家族で温泉付きのスキー場へ泊まりで行った…
そして帰り間際、加南子があらわれ理奈に全てを話してしまった……』

ママの気持ちを思うと、悲しくなる。

『その帰り道、更に精神的不安定になった理奈は、私の運転する車のハンドルを急に奪い谷底に……』

私は息を呑む……

『その後、私は記憶を無くし加南子に作り話を教え込まれ、気が付いた時にはこの洋館で働いていたんだ。』

田崎はそこまで話すと、うつ向いて何も言わなくなる。

『ちょっと待って……私のパパやママは確かにスキーからの帰り事故で死んだのよ!』

(田崎の話しは解るけど、私のパパはママと一緒にその時死んでいるはず…)

それなら、田崎はやっぱり私の父親では無いと思った。

『それは、本当なのか?理佳も誰かに洗脳されてないか?』

『私は……』

そう言われると、私にはスキーからの帰り以前の記憶も、両親の顔さえ記憶が無い……
覚えているのは、父親の名前が辰雄で母親が理奈とゆう事だけ……
そして、スキー帰りに私達家族が交通事故に合った事も、高橋哲也に教えて貰った事を思います。

『でも……そうよ、田崎さんは何で私が娘だと判るの!?私が田崎さんの娘の幼い頃の顔に似ているから?もしそうなら、それだけで娘なんて…』

混乱する頭で私は田崎の矛盾を突く。

『それもあるが……そっくりなんだ……理佳とSEXをして、軆が理奈と……そして膣の奥にある秘密の部屋も……』

秘密の部屋を持つ女性なんて、私だけだと思っていた…

(この秘密の部屋はママから受け継がれたもの!?)

そう思うと、田崎が本当に私のパパかもと思えて来た。 

-ウラコイ×


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あきゅろす。
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