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艶溽
愛と偽りの日々10
洋子に嫁さんするつもりだと告った俺は由美をどうするか考えていた

尻振りを教えられフェラテクも叩き込まれた由美は、飼い慣らされた犬のように従順になっていたが、どこか俺に従う事を拒んでいる風だった

ある日、由美を連れて同僚の山崎と田中と飲みに行った

たらふく飲んだ俺は由美を抱こうか悩んだが、三人を残してアパートに帰ってきた

痩せるからと言って通いはじめたジムも一週間でやめたので、腹は鏡餅のままだった
そんな由美を飲んだ勢いで抱く気にならなかったのだ

次の日、会社に行くと自販機の前で三人が缶コーヒーを飲みながら何やら話していた

俺が「おはよう」と声を掛けると蜘蛛の子を散らすように各自の部署に散っていった

(はは〜ん、こいつらやったな)

そう思ったが証拠がないので何も言わなかった

俺がトイレの個室に入っていると山崎と田中の声が聞こえてきた

「昨日はまさか由美から誘って来るとは思わなかったな」
「ああ、しかも二人一緒でいいわよだってよ、笑っちゃうよ、全く」
「でよ、隆彦さんには黙っててねなんて頼んでやんの、知らぬはなんとかってやつか、あはは」
「それにしても、お尻振りもおしゃぶりも上手くて美人顔なんだが、あのぜい肉がいまいちだな、デブ専なら喜ぶぜ、あはは」
「まあ、天は二物を与えずってやつだ、しっかし隆彦がデブ専だったとはな」

俺が居るとは知らない二人は好き勝手ぬかしていた

俺は今の会話を録音しておいた

「今の話は本当か?確認したいから今夜付き合ってくれよな」

「何だよ、由美の方から誘ってきたんだぞ、俺たちはやましい事はしてないぞ」

「そうだよ、だいたいお前が由美をほったらかしにしたのが悪いんだぞ」

「そうかいそうかい、山崎、可愛い奥さんが知ったら喜ぶだろうな、うちの旦那は酔った女子社員を抱くんですよ!ってな
田中ん家は妹と母親の三人暮らしだったな?男ひでりのお母さんに頼まれてさ!なんて事はないよな?」

「なんだと、何をする気だ」

「だからぁ、確認したいから由美んとこに付き合えっての、嫌なら今の話を奥さんや母親に聞かせるだけだよ」

その晩、俺たちは由美のマンションに上がり込んだ

「由美、由美の方からケツ振ってお願いしたんだって?」

録音しておいた山崎と田中の会話を聞かせてから由美を問いただした

「ち、違う…酔ってても私からなんてないわ…信じてよ隆彦さん…」

「どっちから誘ったとかじゃないだろ?上と下の口に挿れてもらってケツと頭を振り乱したんだろ?」

「う、う、う、だって、隆彦さん帰っちゃうし、淋しかったんだもん…」

「淋しかったら誰でもいいのか?なあ、田中、女は淋しいと見境いなくなるぞ」

「や、やめてくれ、母親は関係ないだろ」

「ああ、関係ねえよ、関係ねえから同僚の彼女でも平気で抱くんだろ?山崎もだよな?」

「隆彦、どうすればいい?まさか妻を抱かせろとか言うのか」

「山崎がそうさせてくれるならありがたいけどな、そんな事しても事実は変わらないさ、どうすればいいかは三人で話し合って決めな、由美、今日限りだからな、二度と俺に声を掛けるな、分かったな」

「隆ちゃん、謝るから…一生謝るから別れるなんて言わないでよ、お願い…」

「付き合う前の男なら知らないが、今回の事を一生謝られても困るんだよ、この先二度と無くても今回の事は許せる訳はないだろ」

「隆ちゃん…」

「そう呼ばせたのがせめてもの情けだと思いな、それから山崎と田中、誰にも言わねえから安心しな、ほらよ」

三人の前にレコーダーを投げ捨ててマンションを後にした

それから一ヶ月後、俺は会社を辞めて親父の会社に社長の息子として入社した
アパートも引き払って実家に戻った

由美の事はもったいないという気はあったが、洋子以外の女にうつつを抜かす気はなかった

「洋子、由美さんとは別れたから」

「ほんと?どうして…」

「俺と由美さんが付き合ってた事、洋子はほんとは嫌だったんだろ?」

「う、うん…由美さんきれいな人だから…私なんかが敵うはずないもん…」

「確かにな、でもな洋子、第一印象は顔かも知れないけど中身まで見抜かないとひどい目に遭うからな」

「うん、お兄ちゃんの事を見抜けなかったから洋子はひどいに遭ってしまいました、うふふ」

「あほ!おいで洋子」

「え?いいの?」

「だめ、大学卒業するまでキスだけにしようかな」

「お兄ちゃんは我慢できるの?私は走っていれば何とかなるわよ」

「じゃあ、俺も走るかな、亀さんスピードで」

「じゃあ、洋子はうさぎさんで先に行って寝てるわね、うふっ」

結婚したい、嫁にしたいと思う女が居ると生活にも仕事にも張り合いがある

守りたい人やものがあると活力が沸いてくるものだ

近頃、親父は以前より家を空けなくなった
相変わらず接待や会合、パーティーはあるけれど、早めに切り上げて帰ってくる

かあさんの顔が幸せ色に染まっている事が俺の幸せであり、洋子の幸せなのだ

「お父さん、たまには背中を流してあげるわね」

照れているであろう親父を想像してかあさんと俺は顔を見合わせて笑いあった

【終わり】

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あきゅろす。
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