夏色の想ひ出
グリセードE
セックスも回数を重ねる度に感度は増して行くだろうし、意識を失うくらいの快感を味わう事もあるだろう。
女体が熟して行くとはそういう事ではないだろうか。
智子「由美おばさん、健太が言ってくれたの…」
健太は、智子が避妊に失敗しても中絶はさせないと約束してくれたのだ。
その力強い言葉が、ひょっとすると智子を究極の境地に導いたのかも知れない。
智子と健太の心は、体を越えて結ばれたのである。
由美「あの頃から智子ちゃんと健太くんは仲良かったものね♪」
智子「えっ?」
智子と健太は、2〜3歳の頃に由美と会っていたのだ。
しかも会っただけでなく、一緒に海水浴場で遊んで一緒にお風呂にも入っているのだ。
そう、由美の前夫の納骨に来た時に。
ほんの数時間の出来事だったので、智子も健太も覚えていなくて当然だった。
由美「ううん、智子ちゃんと健太くんは生まれた時から一緒だったって言ったの」
智子「うん、でも、私怖いんです…」
智子は三回目のセックスでそんな経験をした事で、それが病みつきにならないかという憂いがあった。
由美「そうね、でも智子ちゃんは気持ちよくなりたいだけでセックスをした訳じゃないでしょ?それに、初めて結ばれてから毎日セックスをしていた訳でもないわよね」
智子「それはないけど…」
由美「気持ちをコントロール出来ているのだから心配いらないわよ」
言われてみればその通りだった。
二ヶ月間で三回は智子にしてみればハイペースだったのかも知れないが、その間も二人はセックス無しで過ごした時間はあった。
智子「はい、由美おばさん、ありがとうございます」
母親には言えない悩み事だったが、真剣に聞いてくれた由美に感謝していた。
健太「智子、ごめんな…由美おばさんから聞いたよ、智子が悩んでいる事…オレ、智子をセックスの対象にしていたかも…」
智子「ううん、違うの…私もセックスをしてみたかっただけかも…でも、この前はほんとに健太が欲しかったの…」
健太「ありがとな、智子に欲しかったって言われると、なんか照れちゃうな」
智子「健太、キスして…」
健太は智子の求めに応じて優しく唇を重ねた。
智子「んんん…はぁはぁ…」
智子はキスだけで満足感を得ていた。
智子の表情でその事を察した健太は、それ以上の事はしなかった。
智子「健太、健太がしたいなら…いいよ」
智子は健太の手を乳房に押しあてた。
健太「ばあか、キスだけで満足しているくせに!」
智子「そうだけど…健太はいいの?」
健太「智子がキスさせてくれただけでいいよ」
実は健太は、女の子はキスだけでも満足できるからと由美に釘を刺されていたのだ。
健太「それに、智子とは長い付き合いになるんだから、焦らなくてもいいだろ」
智子「うん、健太、ありがとう…」
智子は、健太の言う長い付き合いとは結婚も視野に入れての事だと思った。
二人はもう一度キスをして幸せを分かちあった。
夏休みに入ると亜紀と和也が家族と一緒に足立家にやってきた。
健太と智子は亜紀と和也との再会を喜びあった。
亜紀「ほんと?よかったわね智子さん」
亜紀は智子と健太が結ばれた事を手放しで喜んだ。
女の子でもエッチは話には興味はあるし、それが信頼している友達の事となれば自分の事のように嬉しいものだ。
智子「亜紀ちゃんはまだ許していないの?」
亜紀「うん…まだちょっと怖いかな…」
智子「そうなんだ…」
亜紀は再出発のために父親と一回だけセックスをしたが、セックスにのめり込むような気がして和也とは再会後は一度もしていなかった。
智子「大丈夫よ亜紀ちゃん、和也くんはちゃんと亜紀ちゃんの事を考えてくれているわよ」
亜紀「うん…」
その夜、由美は亜紀と和也のために一室用意してくれた。
孝子「由美さん、二人きりにして大丈夫?」
由美「何を心配しているの孝子さんは?若い二人なんだから一緒に居たいわよ」
孝子は我が子がまた過ちを犯すのではないかと危惧していた
由美「それに24時間監視する訳にもいかないでしょ」
孝子「そうだけど…」
由美「二人はもう、自分をコントロールできるわよ。信じてあげなさい」
亜紀と和也が求めあっていると感じた由美は、和也にコンドームを渡していて一部屋を与えたのだ。
亜紀「和也くん、今まで我慢させてごめんね…」
亜紀は目を瞑り唇を突き出した。
和也は亜紀を抱きしめて突き出された唇に唇を重ねた。
亜紀を性の捌け口にしていた時とは違って愛しさが湧いてきた。
和也「亜紀ちゃん、ありがとう。でも今はキスだけにしておこう」
亜紀「うん、和也くん、ありがとう」
二人は何度も唇を吸いあったが、セックスに発展する事はなかった。
和也と亜紀は愛の全てがセックスではないと気付いていたのだ。
それにまだ高校生である。
焦ってセックスにのめり込み事もなかったのである。
由美「孝子さん、よかったわね」
荒い息遣いが聞こえて来ない部屋の前で、由美は孝子の肩に手を置いていた。
若いからブレーキが効かず急坂を転げ落ちてしまう事はある。
しかし、若いからこそブレーキを掛ける事ができるのである。
むしろ、大人の方が自らブレーキを外してしまう、ブレーキを掛けられないのだ。
続く
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