[携帯モード] [URL送信]

夏色の想ひ出
明日という未来
明日(あした)は必ずやってくる。
でもそれは、一筋の光もなく右も左もわからない真っ暗闇だ。

朝、目覚めた人はその暗闇に向かって歩き出さなければならない。

底にあいた穴に足をとられるかも知れない。
つき出た棒に頭をぶつけるかも知れない。

恐怖という魔物に出会いもするだろう。

だからこそ人は、明かりを灯して進む先を照らすのだ。

智子と健太は勉強の後にいつもの口づけを交わした。

いつもより長く何回も。

智子「したい?」

健太「何を?」

智子「バカ!鈍感!」

健太「バカはないだろ…それともしたくないって言ってほしいのかよ?」

智子「ううん…ごめん…」

健太はゴロンと横になった。

智子「横…行ってもいい?」

健太「今日の智子、おかしいぞ」

時として目覚めた人は暗闇を照らす方向を間違える。
だから、進む道も間違えてしまうのだ。

健太「智子、オレは智子に感謝しているよ。キスもさせてくれるしあそこも触らせてくれたんだからな。だからオレは智子を大事にしなければならないんだ」

智子「健太…」

健太「正直オレもセックスはしてみたいと思ってる、智子と同じくらいに」

智子「………うん、でもどうしてもって訳じゃなくて、健太がしたいだろうなって思っただけ…」

和也が話してくれた亜紀とのセックス談義が、智子と健太に陰を落としていた。

健太「ばあか、ほんとは怖くて震えているくせに!」

智子「そ、そんな事はないわよ!セ、セックスなんて怖くないわよ、ふん!」

健太「そこまで言うなら、いいんだな?泣き叫ぶなよ」

健太は体を反転させて智子に被さった。
同時にパンツに手が触れた。

智子「ちょ、ちょっと待ってよ…やだ、だめ…」

腕を突っ張り、健太を剥がそうと必死に押し返した。

健太「ほらみろ、ほんとは怖いくせ、バカ」

健太は元の仰向けになった。

智子「ごめん…やっぱり健太だね」

健太「やっぱりって何だよ」

智子「健太は時々脱線するけれど、私の前を行ってくれるから安心なんだもん」

健太「脱線して悪かったな!そんなオレでも着いてくると言うのかよ」

智子「当たり前じゃない!私の初めては健太、私の結婚相手も健太って決めてるもん。
脱線しても直してあげる」

健太「はいはい、よろしくお願いします…」

智子「うふふ、ほんとにごめんね…」

健太「ばあか、今度言ったらほんとにするからな!」

智子「はあい♪」

照らす先を間違えるのではなく、どこを照らしていいのかわからない智子だった。

親が留守の二人には、二人きりの時間はたっぷりあった。




史織「亜紀、武志さんが謝っておいてくださいって言ってたわよ」

亜紀「おじさんが?何て言ってたの?」

史織「無理やり中絶させて悪かったって」

亜紀「無理やりじゃないじゃない…私が育てられないって言ったからじゃない…おじさんが気にする事ないのに」

史織「パパも和也くんのお父さんも言えなかった事を言ったからだと思うの。
亜紀が育てられなくてもママ達が育てるという方法もあったはずなの。でもそれで、言い争いばかりをほしくなかったんじゃないかしら?
きっぱり諦めさせるためだったのよ」

亜紀「だからって、無理やりにって言うなんて…」

友行「あの人達は、他人のためでも平気で汚れ役になれるんだな…」

友行はしばらく考え込んでいた。

友行「実は二人に言わなければならない事があるんだ…」

史織「何ですか改まって?」

友行「じ、実は私も…浮気をした事があるんだ…」

亜紀「パパが?まさか…」

友行「仕事帰りにちょくちょくソープに行ってな…許してくれ亜紀…」

父親に限ってという思いを裏切られた亜紀だったが、何も言えなかった。

史織「パパを許してやって亜紀…元はと言えばママが一番悪かったのよ…」

膿を出すなら出してしまえばいい。
そうしないと、治る傷も治らないのだ。

友行は、靖雄が浮気をした事で離婚の危機になったと聞いたが、裏切り続けても家庭は平和にならないと諭されたのだ。
三人はとことん話し合って膿を出し切った。

暗闇を進むには明かりが必要だ。
手探りでやみくもに進んでもドブに嵌まるだけだから。

一筋の光を射してくれたのが武志と由美だと友行は思っていた。

史織「そうね、あの人達には足を向けられないわね…」

その夜、史織は久しぶりに友行に抱いてもらった。
最後の夜に咥えた武志の肉棒を思い出しながら。

史織「あぁ…あなたぁ…なんだか今までより感じるわ〜」

武志の肉棒を挿入してもらえなかった事で、よりいっそう躯が燃え上がった。

友行「わ、私もだよ、史織」

ソープ通いを告白して気持ちが楽になったのか、史織の膣(なか)から和也を追い出そうという思いなのか、今まで以上に力強く奥深くまで史織を突きまくった。

史織「ああぁ、あなたぁ〜」

友樹「い、いぐぅぅ…」

史織の秘処からドロッとした白濁液が伝い落ちた。

この時史織は、武志が呟くように言った事を忘れていた。

史織「あなた、お願いがあるの…」

孝子に聞いた事を実行してみたくなったのだ。

友行「うおっ、史織…」

お尻の穴まで舐めてくれる史織に感激していた。

史織「うふっ、二回もいくなんて、あなたも若いわね♪」

咥えた肉棒から噴き出た白濁液を口で受け止めて微笑む史織だった。

責められるだけでなく、責める事で気分が晴れた気がしていた。

亜紀(あふぅ…パパママ…)

夫婦の寝室のドアの外で、秘処に指を沈めて悶える亜紀の姿があった。

昼間の灼熱でマンションの壁は焼け、エアコンを利かせなければ汗ばむほど暑い夜だった。




暗闇をさ迷う家族は他にもいた。
滝田家でも親と子の話し合いは行われていた。

和也「お母さん、中絶を選んだ僕を亜紀さんは恨んでいるよね?」

孝子「そうね、女の子としては辛かったと思うわ。でもお母さんは間違っていたとは言えないわ」

靖雄「そうだな、私達は狼狽(うろた)えるだけで何も言えなかったんだからな…」

和也「おじさんに怒鳴られた時は怖かったよ、ほんとにぶん殴られるかと思ったよ」

孝子「うふふっ、ブルブル震えていたものね。私も、余計な事を言うなって怒られて怖かったわよ…」

靖雄「そうだったな、孝子も震えていたもんな。しかし、武志さんは決断するのが早いんだな…私達なら産むにしろ堕ろすにしろいつまでも話し合っていて、泥沼だっただろうな…」

孝子「ほんとね、結論の出ない話し合いを続けて、亜紀さんをいつまでも苦しめていたわね。そうなればいつまでも和也を恨んだでしょうね」

靖雄「そういうところも見抜いていたとすれば、私達には到底敵わないな」

和也「それなのに、すぐに笑わせてごまかすんだからおじさんてすごいんだね」

孝子「そうね、誰もができないからすごいのよ」

靖雄「自分達が汚れるなんて気にしないところもすごいよな…平気で自分は関係ないから言えるんだなんてな」

和也「そのおかげで僕は亜紀さんに嫌われなくてよかったけれどね」

孝子「何よ、和也はそれが心配だったの?もう…お義兄さんに感謝しなさいよ」

和也「うん、忘れないよ!そして亜紀さんを大事にしていくよ」

靖雄「そうだな、それが一番の恩返しかな」

孝子「私もだけど、あなたもですよ!散々心配してもらったんですからね」

靖雄「こりゃ、やぶへびだったかな、はははっ」

自分の女房を抱いた男だったが恨みはなかった。

靖雄「なあ孝子、その後、抱いてもらったのか?」

孝子「いいえ、あなたに打ち明けたあの時だけですよ。あなたに抱かれるように仕向けていたんじゃないかしら」

靖雄「じゃあ、今回もか…」

孝子「ええ、もう疼いて仕方ないのよ…」

靖雄「お、おい…」

孝子は堪らない表情を浮かべて靖雄の股間に顔を埋めた。

息子の起こした問題が性に関する事だっただけに、もやもやが募っていた。

孝子「あ〜っ、あなた〜、堪らないの…欲しかったの…あなたのおちんちんが欲しかったのよ〜」

靖雄「孝子、孝子──っ、私もだよ孝子…欲しくて欲しくて堪らなかったんだよ」

孝子「あ─っ、あなた──」

今までより固くて太くて熱く脈打っていた。
それだけ、秘処はキュッと締まるのだ。

靖雄「半端じゃない締め付けだよ孝子…だ、だめだ〜、ぐうっ…」

孝子「いやいやいや〜、私もいっちゃうぅぅ…」

同時に果てる事で喜びは倍増していた。

孝子「もう、乱れ過ぎて恥ずかしいわ…」

靖雄「いや、乱れてくれて私は嬉しいよ」

夜が白むまでには飽きるほどの時間があった。


続く

[*前へ][次へ#]

9/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!