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曹田操興信所
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カシャンと乾いた音を立てて立方体の中にディスクをしまう。厚手の巾着に包むと元通りに組紐を結んだ。今までの江東に納得もしかり、事の重大さにやっと気が付く。

「悪い事は言わん。触らぬ神になんとやら、だぞ」

現実から故意に目を背け、女を野呂に渡したと明かしこれを菫村に渡せば丸く収まる

江東はそう言った。常識的に考えれば利口な回答だという事は充分承知の上だったが、そんな事は彼等の中の何かが許すはずはない。

「神か、ものは言いようだな江東よ」
「たたりならもう前払いで食らったしな」
「あのような悪質な神ならいらぬ」

ほぼ同時の発声に曹田の口元が緩んだ。なんだかんだで三人が行き着く先は結局一緒で

これだからやめられない

制止する江東と山田を振り切り、店を出ようと扉を開ける。すると前を見ていなかった曹田の鼻先にポフとぶつかった。ふかふかした衣服の感触に人の体温を感じたので、鼻を押さえ睨むようにして見上げる。


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