OK女
心の変化
携帯小説ランキング
「すごく興味があって、わざわざ見に来たんです」
と沙織は笑顔で話しかけた
女性は無言…
「あなたみたいにやってみたいけど、ちょっと怖くて…」
と沙織は続けた
「でも、どうにかしてできないかなって…」
と必死さもアピールしてみる
すると
「何が怖いの?」
と女性が言った
「電車を降りる頃にはボロボロになってないかとか、その後、駅を降りてからやられはしないかだとか…」
と沙織は言う
「あははは…、みんなやさしいわよ、『痛い』って言うと『ごめんね』って謝ってくるし…」
と女性は笑いながら言った
「それにみんな暇じゃないんだから、追っかけてなんて来ないわよ」
と女性は続ける
沙織は興味深そうに身を乗り出し、うなづきながら聞いていた
「それにね、電車から降りてたまにポケットを見るとお金が入ってるの」
と女性は嬉しそうに言うのだ
「いくらくらい?」
と沙織
「だいたいは千円くらいね… でもね、たまに万札が入ってることがあるの」
女性はニンマリと笑う
「でもね、私は痴漢とエッチをしたことはないわ。いつもイカせてもらうだけ。退屈な電車内で、気持ちいいことして、たまにはおこづかいまでもらえて、いいことばかりよ」
と女性は言うと、沙織の肩をポンと叩いて立ち去っていった
沙織はそのまま実習先に向かうため、駅に引き返して電車に乗る
そして電車内で、またいろいろと考えごとをしていた
痴漢が自分の好みのいい男ってワケではないし、でも、嫌いなタイプが多いワケでもないし…
でも、おこづかいっていうのはいいわよね
別にやらせるワケでもないのにおこづかいか…
などなどと考えごとをし、その日1日を終えてしまう
帰宅後、また同じ掲示板を覗いてみると
─今日はありがとう、イキまくりだったね─
とか
─すごい濡れっぷりだね。指のほうが吸い込まれちゃった─
などの書き込みが追加されていた
沙織はまた女性の言葉を思い出す
『退屈な電車内で、気持ちいいことして、たまにはおこづかいまでもらえて、いいことばかりよ…』
沙織は、この掲示板に『痴漢OK』の書き込みをしたい衝動に駆られていくのであった
だが実際にはそれができず、その後も数日間は悩み続ける
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!