小説 8 「御飯作るケド、食べる?」 「………」 「そんな大層なモノじゃないけど、不味くはないよ」 多分。 喰わせてたのオフクロだけだし、あの人味音痴じゃないけど、たまに変だから。 「………ん」 えらく間をあけて返事が帰ってきた。 んじゃ、作ろうかな。 でもその前に、上着探さないと流石に寒い。 今日は土曜だし、親いないし、静かだな。 キョロキョロと辺りを見回しても上着がない。 クローゼット開けるのもな…。 ほら、開けるとひんやり来るじゃん。寒いからそれは嫌だな。 「…」 「…ん」 探している間にも、東海林サンの撫でる手は止まらない。 どちらかと言うと、気持ち悪くはないが、ホントくすぐったい。 起き上がったからか、頭ではなく首や鎖骨を触るもんだから、ちょっと声が危ない。 スキンシップ激しいね、お兄ちゃんは。 [*][#] [戻る] |