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小説





微妙にいたたまれない気持ちで、少し起き上がれば、肩からシーツが落ちる。

あ、やば、寒い。

上着下にあるんだよな、持ってくればよかった。
タンクトップのまんまだし、うーん。
いいや、とまたベッドへと潜る。
起き上がったのに、また沈む俺をずっと見ている東海林サンにちょっと違和感。

何か、俺したかな?
や、でもどっちかっていったらされた方だよな?
……頭撫でられたのは、よかったけれども。
また、撫でて、くれないかな。
そう思ってジッと見ていたら腕が動いて、頬を撫でられた。
くすぐる感じで触れるもんだから、こちらが気恥ずかしい。
うっすら頬が赤くなるのを感じて、内心ちょっと叫んだ。

恥ずかし…!

「……」
「……」

無言の沈黙なのだけど、それが不快に感じないのは、何故だろうか。

「……ん、腹減った」

俺、朝はきちんと食べます。
だって、育ち盛りだもん。
サイドを撫でる手をニマニマと受けながら、また起き上がった。

大きい手。
いいな、身体の部位は比例して大きくなるから、羨ましい。

「…ねえ、」
「…」

声を掛ければ、東海林サンが視線で「なに」と言った(ような気がする)





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