小説 2 じゃあな、ときーやんが帰るのを見送りながら俺は携帯を見やる。 集会しなきゃなんだけど、この分だといつできるかわかんないなー。 ナヅくんがほんとに会わせてくれるなら、漣千景の予定も空けなくちゃだし、これから壱岐くんちにいくなら、うーん。 なんか、これって、充実してるね? 「あ、」 「ん?」 「迎えがそろそろ来そうです」 壱岐くんちすごい楽しみなんだけど。 零士をちらっと見れば気付いたのかこちらへと近寄ってきた。 わしゃわしゃと頭を撫でられ、その事に驚いてるとナヅくんが茶化してくる。 「れーちゃんってば北下に焼きもって痛い痛い!!」 「…………」 「うわ、目がマジだよこええ!」 俺の頭を撫でている手とは逆の手がナヅくんを襲ったらしい。 いたーい!と言いながら距離を開ける彼を見ながら俺は笑う。 楽しいなあ。 「壱岐くんち、楽しみだねえ」 へら、と顔を緩ませると零士が目だけを細めた。 [*] [戻る] |