小説 4 そう言ってナヅくんはタバコを持って窓を開けた。マナーがあるね。 壱岐が気付いて灰皿を持って近寄る 凄い。気が効くんだ。壱岐のお母さんみたいな気質のイミが分かったかもしれない。なんて。 「じゃあ、日時教えてよー。俺たち明日から学校だからねー」 ナヅくんの会話を聞いていたかったけど、会話を盗み聞きするのは何だか頂けなくて零士と何かを話していたきーやんに近付く。 二人が何か話してると何時喧嘩になるのか不安なのって俺だけかな。 「…だから、その情報を吐けば俺たちはお前を追い掛け回したりしない」 「……そうもいかないんですって、俺だって信用第一でやってるんですから」 「きーやん、零士」 「遊」 俺が近付くと情報がどうのっていってたけど、まさか追いかけてた理由を聞いてるんだろうか。 零士は不機嫌そうに俺に手招いた。 俺が近付くと零士が俺の腕を掴み、自分の膝に座らせる。 俺の背後に零士の身体がある状態…子供を座らせるみたいな感じかな。 イスでもよかったんだけどなー。 そんなことを思っているときーやんが首を傾げる。 「遊、なんでそんな慣れてんだ」 「え、別に」 「…北下、情報を売れ」 「……なに、アキラさんのことなら解決したから」 「……遊、間違ってたらアレなんだけど、さ」 きーやんがいい憎そうに言うから首を傾げると、決心したのか彷徨っていた視線が俺へと向く。 「遊は、前に核として、暴れていたよな?」 「そうだね」 「……そうか」 「え!遊ってコアなのー?」 電話が終わったのか、ナヅくんが会話に入ってきた。 壱岐たちもこちらに視線が向いている。 「半年くらい挨拶周りで喧嘩三昧してたんだけど、親に怒られてさー」 「他の区と橋渡ししてるって聞いてたんだけど」 「んー?橋渡しはしてないよ?喧嘩しないように同盟を組んでもらっただけだし」 同盟。 うん、確か何かの同盟を汲んでもらったんだよね。 そのときはもう喧嘩してなかったから、詳しくは聞いていないんだけど。 まあ、皆が仲良くしてほしいって頼んだんだけど、アキラさんだけはいやだって突っぱねたらしい。 「最近めっちゃ荒れてたらしくて、会いに行ったのはいいけど今度また会わなきゃなー」 「遊ってさー、約束をするの好きだよねー」 「なんで?」 「俺二区の総長と仲いいんだけどさー、コアと約束したから喧嘩はしてないって言われたー」 「へえ」 二区は…浦賀さんだったかな。あの人テンション高くて楽しいから好き。 副総長は俺のこと嫌ってるみたいだし、厭味言われるんだよねえ。 「そうか…、一回集会した方がいいのかな」 「「集会?」」 壱岐と仁志が首を傾げてきた。 あれ、あ、そっか。知らないよね。 [*][#] [戻る] |