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小説





くる、と横を向けば、やっぱり当たり。
東海林がこちらを見ていた。近くで見たのは初めてだけど、調った顔してるよな。
ピアスは顔面凶器だ、その数、人体改造でもしたいわけ?
眉(アイブロー)とか口(ラブレット)とか開け過ぎだよ。

「……なんで、東海林サンがここに…」
「……」

……だんまりですか。
いや、わかるけどさ、なんてゆーのかな、なんぞ弁明してほしいっていうか。
されたらされたで、今度は俺が困るのだけど。
だってさ、俺この家に住んでるからさ、ベッドは当たり前にあるけど、東海林サンにはないじゃん?
で、この人が俺様だった場合っていうか俺様なんだろうけど、帰ってきたら(一応家族だし)俺は寝てて(しかもきーやんと)自分の場所がないときた。

……あ、アレか。
俺の寝相が悪いから落とそうにも落とせなかった口か。
いやでも落としたら落としたで、きーやんも落とさなきゃいけないから、俺を間に挟むので妥協案?

………えー。
それなら起こしてくれた方が一番嬉しいんだけど。そしたら部屋にあるソファにでも移動したのに。
しかもきーやん逃げたな?
というかびっくりしたんだろうなー…。
取り敢えず謝っておく。

「……」





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