小説 6 くる、と横を向けば、やっぱり当たり。 東海林がこちらを見ていた。近くで見たのは初めてだけど、調った顔してるよな。 ピアスは顔面凶器だ、その数、人体改造でもしたいわけ? 眉(アイブロー)とか口(ラブレット)とか開け過ぎだよ。 「……なんで、東海林サンがここに…」 「……」 ……だんまりですか。 いや、わかるけどさ、なんてゆーのかな、なんぞ弁明してほしいっていうか。 されたらされたで、今度は俺が困るのだけど。 だってさ、俺この家に住んでるからさ、ベッドは当たり前にあるけど、東海林サンにはないじゃん? で、この人が俺様だった場合っていうか俺様なんだろうけど、帰ってきたら(一応家族だし)俺は寝てて(しかもきーやんと)自分の場所がないときた。 ……あ、アレか。 俺の寝相が悪いから落とそうにも落とせなかった口か。 いやでも落としたら落としたで、きーやんも落とさなきゃいけないから、俺を間に挟むので妥協案? ………えー。 それなら起こしてくれた方が一番嬉しいんだけど。そしたら部屋にあるソファにでも移動したのに。 しかもきーやん逃げたな? というかびっくりしたんだろうなー…。 取り敢えず謝っておく。 「……」 [*][#] [戻る] |