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小説




「…遊」
「んー?」
「…寝ンのか」
「ん」

ぐるぐる。と猫が喉を鳴らすような感じ。
零士がさらりと髪を撫でるから更に気持ちがいいんだけど!

「…」

零士が俺の頬を撫でて、横向きだった頭ごと上へ向けた。
自然と身体が仰向けになるから、座ってた下半身もソファに乗せた。
その上から被さってきた零士に伸し掛かられる態勢になった。

「…なに」

眠いんだから、触らないでよ。なんて視線で訴えてみる。
傍から見ればただうっすら眼を開けてるだけ。

「……」

眼にかかる前髪をさら、と横に分けられた。
あ、やばい、気持ちいい。
その手に擦り寄れば、撫でてくれる零士。
やばいな、この手は、癖になりそう。


「れい、」

名前を呼ぼうとした口は、塞がれてしまった。
口を開いていたため、容易く舌が侵入してきた。

「ん、む」

噛み付くようなキスに、眠さが吹っ飛んだ。
離そうと腕を動かせば零士の手によって簡単に押さえられた。

「は、ぁ…れい」

やめて、なんて言わせてくれないのか、コイツ…!





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