小説 9 「…」 もう、いーや。 下まで行けば大丈夫だし、火使うから寒くはなくなるでしょ。 そう思い、ベッドから足を下ろせば、ヒヤリと冷気があたる。 意を決してフローリングに足をつけて、完全にベッドから出た。 下は長ズボンだから、大丈夫だけど、上がなー。 伸びをしてから、ベッドに足を乗せて東海林サンを挟んだ壁側、まあ、窓なのだが。 カーテンを開ければ、眩しい光が入り、少し眩む。 でもいい天気! と思ってたら、いきなり東海林サンが起き上がり、きていた長袖を脱いだ。 うわ、筋肉ついてる。 羨ましい。とか思っていれば、脱いだ長袖のシャツを俺の頭から被せた。 え、と思う前にネックのところから俺の頭がでてくる。 脱いだばっかだから、ちょー暖かい。 思わずぎゅーっと握り締めてしまった。 いや、なんか言いたいことはわかるけど、あえて言わないで! 今は寒いから仕様がないんだ! 「………着てろ」 「、うん」 袖がちょー余ってるとか、今は言わないであげるよ。 体格差が普通にわかるってやだね! でも感謝! これでもう寒くないので、余った袖の部分を曲げながらベッドからまた下りた。 [*][#] [戻る] |