長編&固定の恋歌
〜コードギアス〜
stage1−8
ルルーシュと緑の髪の少女は地下を走って逃げいた。
「何なんだよ、お前はっ!?」
少女が躓いてこけるとルルーシュは必死で保っていた冷静さを見失ったように叫ぶ。
「お前のせいなんだよ、この騒ぎは! なぁ!?」
片手で顔を覆うルルーシュの瞳には涙が溜まっていた。
「しかも、ブリタニアは…ブリタニアがスザクも……アルティナっ…までもっ!」
そんなルルーシュを緑の髪の少女は感情のない瞳で見つめた。
「良いか…そこで待ってろよ。」
ルルーシュは緑の髪の少女に言うと地下の出口から顔を出すが、軍人が表れ即座に身を隠す。
小さな女の子の泣き声すらも銃声に消え、ルルーシュは固く瞳を閉じた。
刹那――ルルーシュの携帯の音が鳴る。
すぐに消すがもう遅くて…そんな事とは知らない電話を鳴らした蜜色の髪の女の子は怒って携帯を見つめた。
ルルーシュは軍人に殴られ緑の髪の少女は軍人に捕まり、絶体絶命の四字が二人を襲う。
軍人がルルーシュに銃を向け、ルルーシュが俯いた瞬間
「殺すなぁ!」
緑の髪の少女がルルーシュを庇い、銃弾が少女の額を貫く。
倒れた少女から溢れる命の紅。
震える手を伸ばしたままルルーシュは絶望に瞳を揺らした。
(何だ、これは…。
スザクも…この子も……アルティナも…。そして、終わるのか…この俺も…)
それはまるで悪夢のようで…。
(何一つ出来ないまま…あっさりと…。
アルティナ…ナナリー…っ)
ルルーシュは愛しい人の、大切な妹の名を心で叫んだ。
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