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長編&固定の恋歌
   〜コードギアス〜
stage1−3



「…ランペルージ……か。」


ビルの屋上に佇む一人の少女が呟く。

印象的なシルバーピンクの長い髪が風で揺れる。


「そろそろかな…。」


『くっそ、やっと盗み出せたってのに…。』


取り出した無線機から男性の声が聞こえる。

無線機から少年二人が出て来る建物へ視線を移せば


「…温いんだよ、貴族って。特権に寄生してるだけだから。」


つまらなそうに黒髪の少年が呟いていた。


「ふふ、相変わらず強いみたいね。」


その様子に少女は楽しげにくすくすと笑う。


「だったらイレブンとやってみるか?
俺らブリタニア人と違って…。」


ヘルメットをかぶった少年が話していると大きな画面から先ほどのテロのニュースが流れていた。


《帝国新民の皆さん。》


大きな画面に“エリア11”と呼ばれる元日本の総裁クロヴィスが映る。

黒髪の少年の瞳が僅かに険しくなった。


《そして、もちろん協力頂いている大多数のイレブンの皆さん。》


『イレブンじゃないっ…日本人だ…!』


クロヴィスの声に反応して無線機から怒りに震える声が聞こえた。

クロヴィスは悲痛な声で演説を続ける。


《黙祷。》


その声と共に大多数の人が黙祷する中で黒髪の少年は駐車のカードキーを差し込み黙祷する素振りは微塵もない。

一緒にいたもう一人の少年から「やんないの?」と問われれば「リヴァルは?」と質問を返す。


「恥ずかしいデショ。」


黒髪の少年はその言葉に冗談混じりに同意してみせる。

そして…


「所詮、自己満足。…どれだけ背伸びしたって……。
どうせ…世界は変わらない。」


画面に映るクロヴィスを見ながら呟いた。

そんな少年を少女は少し悲しげな瞳で見つめる。


「……ルルーシュ…きっと、ここから始まるわ。
あなたの長い…永い…戦いが……。」


少女は祈るように両手を胸の前で組み瞳を閉じる。


「あなたが進む道に希望があらん事を…。」


少年2人がバイクに乗って立ち去るのを見送ると少女はふわりと踵を返す。


「さぁ、私も動き出しましょう。」


少女の瞳は力強く真っ直ぐ前を見据えていた。




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あきゅろす。
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