長編&固定の恋歌
〜コードギアス〜
stage0.75−3
「ち、違う…日本刀なのはわかるが、今…お前、俺達の事…日本人って。」
「ん、日本人でしょ? 違ったの?」
「違わない。だが、ブリタニア人は皆、日本人とは呼ばない。」
そう言った男の顔は悲しそうな色をしていた。
「そう言われてもね。日本人だから日本人だって呼んだのよ。
ブリタニア人だからってイレブンって呼ばなきゃいけない事はないでしょう。」
そう言うとティルナは男達の前に座り傷を縛っていく。
「……………。」
男達は無言でただ大人しくティルナのする事を眺めていた。
(馬鹿な、敵の傷の手当てをしてるのか!?)
ルルーシュは動けない身を歯痒く思いながら眉を顰める。
「…私がつけた傷だから応急手当くらいはしておくわ。」
とても穏やかなティルナの口調。
「何故、助けるような真似を…?
オレ達は嬢ちゃんを殺そうと…」
「別に関係ないわ。
私は今、生きてる。それだけで充分じゃない。
手当てをするのは私のエゴね。
誰かが死ぬのは……もう見たくない…。」
自嘲のような笑顔に哀しみが色濃く刻まれたティルナの瞳。
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