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「おれさ、いつかこういう要求をされるんじゃないかと思って、生徒会のみなさまにきいたわけ。『写真撮ってもいいですか』って。…そしたらなんて言ったと思う?」

「………、」


だんだん話がよめてきたのか、いつのまにか曽我部の眦がつり上がっていた。これがウワサの逆上チワワか。おれ初見です!って喜んでる場合じゃない。

おれはなおも続ける。


「『親衛隊に流すために撮るのはダメ』だって。…意味わかるよな?」

「…っ、ボクに逆らって後悔しないわけ!?」


突然、曽我部の声が上擦った。だがおれはそれをきくとむしろ冷静になって、淡々と言う。

あきらめろよ、そんな思いを込めながら。


「逆らってるつもりはないよ。ただおれは、こういうことだから協力できない。そう伝えたいんだ」


とは言っても理解してもらえないよな、とちょっとため息。ああ、よりにもよって自分からフラグを立てるような真似をしてしまった。恋愛フラグだけでなくいじめフラグもへし折るつもりだったのに、なかなかうまくいかない。…くそ、ロム専になりてぇ。

だが、後悔はなかった。法律違反をかましなくないし、かつ生徒会メンバーが隠し撮りを嫌がるのをこの目で見たからだ。おれは曲がりなりにもホームの家政夫であり、住民の嫌うことは寄せ付けたくない。そこはゆるがないつもりだ。

すると両脇のチワワも拳をふりあげて、おれにくいついてきた。


「結局は逆らってるじゃないか!いい子ちゃんぶりやがって!!」

「そうだよ、こっちの言うことを聞く気がないんでしょ!いじめられても文句いわないでよね!」

「おれはそういうこと言ってるんじゃないし、てゆーか隠し撮りは犯罪なんだってわかれよ!おれは犯罪の片棒担ぐつもりは無いのっ」

「ばれなきゃいいじゃん、わからずや!」

「…あのさ、ばれておこられるのはおれだけじゃなくて、写真もらう側のあんたらなんだよ?しかも示唆ってことでそっちのほうが重罪だよ。これだって脅迫だし」

「っ、示唆とか脅迫とか、そんな脅しはきかないんだから!」


…脅迫相手からそんなこと言われても困るんですけど。いよいよ収拾つかなくなってきたぞ。まあ一筋縄じゃいかないだろうなとは思ったけれど。どうしたものかね。

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