3 白亜の壁、洒落たデザイン、完璧な庭のレイアウト、つくりも申し分ありません。 とはいっても今は見る影なく。何故かって?そう、そこがおれがこの場にいる理由なんです! ああやっと紹介状のくだりにいける。長かった。 改めまして、この一軒家は生徒会による生徒会のための専用寮、通称「ホーム」です。 文字通りここは生徒会の家なわけで、ということは誰かが身の回りの世話をしなきゃいけませんよね? でも生徒会メンバーたちは人の上に立つようなお方々、炊事洗濯清掃ができるわけありません。 それじゃあどうするのか?――雇うんですよ、人を。 つまりお手伝いさんに家事をさせるわけですね。 そうはいってもホームに住むのは美形集団生徒会、その美貌にあてられてお手伝いさんたちはろくに仕事もできないわけです。 生徒会のメンバーを一人見ればうわっ、二人見ればぽうっ、三人見ればぽひゅうっ、四人見ればばたんきゅー。家政婦でも家政夫でもダメ。とりあえずダメ。 またもや困った生徒会メンバーたちは耐性のある親衛隊に家事を任せようとしますが、まあ出来ないのがせきのやま。 なんてったってみんなおぼっちゃまですからね。むしろ私物を盗まれたりで、彼らのイライラはピークとなったわけですよ。 …いや前から私物盗まれてたんだからホームに入れたらどうなるか気づけっていうつっこみは今はナシで! で、それを見てこりゃいかんと考えた理事長が知り合いに要請してお手伝いさん探し。 前より広範囲だったため、流れに流れてそれが兄のところに転がりこんだわけでして。 *前へ次へ# [戻る] |