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「……おいしい」


びっくりしたようなクーママの声をきいて、自然と笑顔になる。そのあとクーママはスープにスプーンをつっこんで、しばしぼんやりしていた。

なんだ?会長に食べさせたいのか?『あーん』みたいな。ああ、クーママ受けもいいけど会長受けもおいしいかもしれない。右側って重要だよな!

なんて考えたが、クーママが言ったのは別のことだった。


「君は?」

「はい?」

「君は食べないのかってきいてるの」


ああ理解。クーママってば、やっぱり言葉数が少ない。


「大丈夫です。自分用のお昼は用意してあるので」


まあ栄養ドリンクだけど。おれ、あんまり食べないし。

しかしクーママはその返事が不満だったらしい。ふいっとそっぽを向くと、食器をおいてしまった。え、なんで?

クーママを見ながら首を傾げるおれに助け舟を出したのは、連太郎先輩だった。先輩はにやっと笑いながら言う。


「凛はさ、山中が食べてないから心配なんだよ」

「……へ?」

「一人だけ仲間外れみたいだ、って。ね、凛?」


しんぱい、って。

びっくりしてクーママを見れば、彼は顔を赤く染めていた。


「…違う。余計なこと言うな」


これは、これは……!


「つんでれ!?」

「…山中。今なんて言った?」


あ、まずい。

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あきゅろす。
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