10 どうやらつかみはなかなからしい。よし、引き続き気を抜かないようにしなければ。 その時。今まで黙っていた双子の片割れ、連太郎先輩が口を開いた。 「彼がいくら礼儀正しくても、家の中でサングラスっていうのはおかしくない?」 「……。えーと、」 紹介状に書いてあるんだけど、その理由。 おれは返答に困って、紹介状を持つクーママを見た。すると彼はちょうど口を開くところで。 「自分の顔が悪すぎて晒せないんだって」 「違いますよ。生まれつき目が光に弱くて、蛍光灯の明かりがダメなんです。だからサングラスなんです」 それに驚きの声をあげたのはなぜかクーママさんだった。 「え、そうなの?」 「……紹介状、読んだんじゃないんですか?書いてあったと思いますけど」 「きちんとは読んでない、いつもの癖で斜め読み。ていうかそういう大事なことは口頭で言ってよ」 「う…、すみません…」 そんな無表情の彼からは、謝罪の気持ちは少しも感じられない。むしろおれがわるいことしたみたいじゃね?これ。 でもね、こういう場合はここでため息というのが普通かもしれないけど、おれは違うんです。この迂闊さと野放図さはどこかで発揮される!そう思うんです。 例えば、妄想してみよう。 『りんたろー。何してんの』 『!…ふく、かいちょう』 『ねえ。ナニ、してんの?』 『………、』 『一人でいじってたの?…フフ、悪い子。見つかっちゃったね?迂闊だなぁ(ぎゅっ)』 『っひぅ…!(びくっ)違う、これは、…ふ、副会長がおそいのが悪い!』 『へえー、俺のせいなんだあ?(ニヤリ)』 『や、あっ……』 みたいなー!!??ああやっぱりいいニヤリ超いいニヤリ素晴らしい!ちなみに今回の友情出演は副会長!またもや性格わかんないからテキトーだけど! *前へ次へ# [戻る] |