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ハジメテの、11



 * * * * * *



 待ち合わせは正門前で、十二時に集合だ。作ったものとレジャーシート、はしを持って俺とユキ君は門に向かった。ちなみに紙コップと紙皿を持ってくるのは涼二君と愛樹君だ。あれってけっこうかさばるよな。


「あ。もう来てるみたいだ」
「わ、ほんとだ。待たせちゃったよね……。ごめんね、二人とも!」


 俺とユキ君が正門前に着いた時、まだ十二時になっていないにも関わらず二人はもう着いていた。

 俺は荷物を持ったまま立っている二人に軽く謝罪してから、レジャーシートを広げる。わざわざこのために買ったシートは、安さと大きさが売りのセール品だった。

 そこに荷物をおいて、俺達は昼食の準備を始める。


「そんなに待ってないよ。…ていうかマナが早く起きすぎて、作り始めるの早かったんだよね。楽しみで寝られなかったんだってさ」


 だから五時起きなんだ、と涼二君は言って、横目で愛樹君を見た。

 愛樹君は唸りながらぼそぼそ呟く。


「だってよう…、」

「別に僕はいいんだよ?寝たの早かったし。ただ、困るのはマナだよ。今日の夜寝かせるつもりはないから。明日の朝もいつも通りに起こすからね」

「ばっ、なに言ってんだよ!しかもひでぇ!」

「ふふ。お仕置き」

「やっぱり怒ってるじゃんか!」


 サディスティックな笑みを浮かべる涼二君と顔を真っ赤にする愛樹君の掛け合い。俺は苦笑いしながらそれを聞く。

 これらの会話からわかるとおり、二人は付き合っているのだ。話を聞く限り涼二君の粘り勝ちらしかった。確かに彼は愛樹君が大好きだからよくわかる。

 はじめは二人の会話に性が絡んでいて驚いたけれど、今は慣れたもので心の平静を保つことができるようになった。…たぶん、少しずつだけれど俺はこの学園に染まっているんだろう。

 ただユキ君は未だに慣れていないらしくて、赤面はしないもののオロオロと落ち着かないようだ。今も料理を広げてから、所在なさげにしている。

 俺は二人(というか愛樹君)を鎮めてから、正門に向かった。


「こんにちは、お二人とも。準備が出来たので来ていただけますか?」

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あきゅろす。
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