ルビーレッドの瞳5 生まれてからこれまで、俺は性とはほぼ無縁の生活を送ってきた。性欲が薄く、自慰も数えるくらいしかしていない。そんな俺が、色々すっとばして性行為をしなければならないということだろう? 「…父上、もしも聖力を誰にも吸われることがなければ性行為はしなくてもいいのですか?」 「いや。ピアスをつけているかぎり聖力は減っていく。ピアスのもつ魔力とゼンの持つ聖力を相殺させて、力を無理やり減らしているようなものだから」 「そう、ですか…」 ああ、ありえない…。けれど命令とあらば行かなければならないのだから、諦めるしかないのだろう。 「…、頑張って学んできます」 「ゼン…。頼んだよ」 だが俺は、学校に編入したその日にこの決意をしたことを恨みたくなるのだった……。 *前へ次へ# [戻る] |